OASYS文書をPCで開きたい!
方法あれこれ
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パソコンが普及した今でも、一部のユーザーから熱い支持を受けるワープロ「OASYS」。
ワープロには独特の使いやすさがありますが、現在は生産終了している事もあり、年々修理や作成したデータの互換性維持が難しくなっています。
ここでは、OASYSで作成した文書をパソコンで読む・編集したい時に、どんな方法があるのか調べた事を、自分用のメモを兼ねてまとめています。
「ワープロからパソコンで読める文書として書き出す」方法と、「パソコンからOASYS文書フロッピーを読み込む方法」をまとめています。
個人で集めた情報であり推測も混ざっているので、参考程度に見て頂ければと思います。
OASYS文書をパソコンで開く方法
OASYSで作成した文章をパソコンで読むには、だいたい4つの方法があると思います。
・ワープロ本体でMS-DOS文書として書き出す
・対応FDDでパソコンから文書フロッピーを読み込む
・データ変換業者へ依頼する
・kryoFlux
順番に見ていきましょう。
ワープロでMS-DOS文書に書き出す
ワープロ本体が動くのであれば、OASYSからMS-DOS文書として書き出すことで、パソコンでも開けるファイルを作る事ができるかも知れません。
「補助」の読み込み・書き込みメニューに、「MS-DOS文書として書き出す」といった機能があれば可能です。
パソコン用にFDDを1つ購入するだけなので手軽ですが、文書を1つずつ手作業で書き出す事になるので、大量にあると時間と手間がかかります。
パソコンから文書フロッピーを読み込む
最近のFDD(フロッピーディスクドライブ)のついていないパソコンから、OASYS文書フロッピーを読み込むためには、以下のものが必要になるようです。
文書を印刷したい、フォント情報も再現したい場合は、さらにフォントデータもダウンロードします。
OASYS文書対応 外付けFDD
OASYSフロッピィ情報(動作確認済USB FDD)
OASYS文書対応 FDドライバー(OASYS V10 修正モジュール)
FUJITSU Software OASYSダウンロード(usbfdins.exe)
フロッピービューア
フロッピービューア(oasvb800.exe)※提供終了
OASISフォント
フォントデータ(fmfjom.exe)※提供終了
【追記】
無償ビューアの提供が終了したので、今後はOASIS文書フロッピー内容の閲覧には「OASYS V10」
などのソフトが必要そうです。
「OASYS V10」は開発終了しているものの、公式サイトでWindows10での動作確認がされています(修正モジュール必須)。
参考: FUJITSU Software OASYS|技術情報
「OASYS V10」+「OASYS対応FDD」+「修正モジュール(usbfdins.exe)」といった環境なら、OASIS文書を読み込むことが出来るかも知れません。
FDD動作確認ページでは「win10,8,または64bitOSではOASYSフロッピーは使えない」といった表記もあるので、読み込み専門になるのかも知れません。
また、「OASYS V10」
は「Japanist用修正モジュール」をダウンロード&インストールすることで、Windows10でも「親指シフト」機能を使えるそうです。
OASIS対応FDD
最近のパソコンにはFDD(フロッピーディスクドライブ)は付属していませんし、Windows7以降の内蔵FDDではOASYSフロッピーは読み込めないので、OASYSフロッピーを読み込める外付けFDDが必要になります。
2005年以前の国産Windows XPでは、内蔵FDDで読み込めるものもあるようなので、古いパソコンがあれば試してみるのもいいかも知れません。
私はデジタル機器にうとく、「3モード対応のFDDならワープロフロッピーを読めるらしい」と、適当に3モード対応FDDを購入したのですが……。
3モード対応ならどれでもいいわけではなく、OASIS文書に対応しているFDDでないと読み込めません。
富士通公式サイトでドライバー対応機種が公開されているので、こちらから選ぶのが無難です。
OASYSフロッピィ情報(動作確認済USBフロッピィドライブ)
どれも現在は生産終了しているので、手元になければ中古購入する事になります。
読み込み専用になるものもあるようですが、Windows7で動作確認のある富士通製の外付けFDD
「FMFD-51S」
は、Window10の富士通パソコンでも動作したという情報もあります。
FDドライバー
(OASYS V10 修正モジュール)
OASYSフロッピーは、パソコン用のフロッピーとはフォーマットが異なるので、このフォーマットを読み込むための「FD(フロッピーディスク)ドライバー」が必要になります。
ドライバーはOASYSのメーカーである富士通さんから公開されています。
有償のPCソフト「OASYS」の修正モジュールという立ち位置のソフトですが、これがないとOASYSフロッピーを読み込めません。
FDDがあっても、このドライバーが動作しないとOASYSフロッピーを読み込めないので、まさに要の存在です。
ダウンロードページの「OASYS V10」項目にある「+」を押して、「OASYS V10 USBフロッピードライブ対応」という欄にある「usbfdins.exe」をダウンロードします。
ダウンロードしたら、「usbfdins.exe」ファイルをダブルクリックしてPCにインストールします。
FUJITSU Software OASYSダウンロード(usbfdins.exe)OASYS 2002 修正モジュール
さきほどの修正モジュール(usbfdins.exe)だけで読み込める場合は、こちら(usbfddrv.exe)は不要です。
修正モジュールについては、「usbfdins.exe」だけでOK、「usbfddrv.exe」なら動いた、どっちも必要だよーといった情報が混在しています。
無償ビューアが提供されていた頃の情報も混ざっているので、「OASYS V10」環境で読み込む場合は、「OASYS 2002」の修正モジュールであるこちらの「usbfddrv.exe」は不要かも知れません。
必要そうな場合は、OASYS 2002 > OASYS 2002 USBフロッピィドライブ対応 欄の「usbfddrv.exe」をダウンロードして、ダブルクリックでPCにインストールします。
FUJITSU Software OASYSダウンロード(usbfddrv.exe)
フロッピービューア
OASYS文書は、ファイル形式の違いから、パソコンでそのまま開くことはできません。
OASYS文書を読むこむ・編集するためには、専用ビューアを使ったり、パソコンで開ける形式のファイルへ変換する必要があります。
以前は「OASYS Viewer V8.0 L10」というビューアとインストーラーが富士通公式サイトから無償提供されていましたが、2020年現在ではダウンロードページが存在しないので、同ページにあったフォントデータとともに提供終了したようです。
参考: FMVサポート
OASYS文書を読み込むためのソフト
富士通製のビューアが提供終了したので、OASIS文書(oas.ファイル)をパソコンで読み込むには、専用ソフトや変換ソフトが必要になったようです。
多くは生産終了・開発が止まっている高価な有償ソフトです。
Windowsパソコン用ワープロソフト「OASYS V10」
なら、閲覧、編集、ファイル形式の変換ができるようです(未所持なので保証はできません)。
「OASYS V10」
は開発終了しているものの、公式サイトでWindows10での動作確認がされています。
参考: FUJITSU Software OASYS|技術情報
OASYS文書ファイルを別形式のファイルに変換できる「テキストリッチコンバーター」なども有名でしたが、現在は販売終了しているようです。
注意したいのは、有償ソフトを購入しても、パソコンがフロッピー内容を認識できないと編集・変換のしようがないこと。
有償ソフトを購入する場合でも、OASYSフロッピーを読み取れるFDDやドライバーは必須です。
ちなみに、OASYS文書をWord形式などの変換できる フリーソフトも意外と多いですが、多くはwin98やXP時代に開発された16bit版のソフトです。
32bit版パソコンであれば、デフォルトで入っているらしい16bit版エミュレータをインストールすれば、動くかも知れません。
64bit版では32bit版ソフトを動かすエミュレータが取って代わっているので、16bit版エミュレータは存在せず、16bitソフトを動かすのは難しそうです。
OASIS文書フロッピーを読み込む手順(予想)
まとめると、
1.FDドライバー(OASYS V10修正モジュール)をダウンロード&インストール
2.パソコンを再起動※念のため
3.無償ビューアまたは「OASYS V10」を起動
4.FDDをPCに接続してOASIS文書フロッピーを挿入
5.無償ビューアまたは「OASYS V10」から文書を選択して読み込む
という手順で、OASIS文書を読み込めるかも知れません。
FDDがOASYS文書フロッピーを認識しない場合は、2002版の修正モジュールを試してみるのもいいかも。
※これはあくまで予想であり、自分で動作確認したわけではないので保証はありません。
データ変換業者
こちらは、フロッピーを送付すると、OASYS文書をパソコンでも読めるファイル形式に変換してくれる有料サービスです。
フロッピーそのものを業者へ送る必要がありますが、自分でFDDなどの機材を揃えるのが難しい場合は有効かも知れません。
ただ、フロッピーは年月や強い磁気などで中身が消える事もあるので、全体的な価格や変換できなかった時は無償かなど、サービス内容はよく確認しましょう。
ファイル変換ソフトの販売を終了して、データ変換サービスへ移行している業者さんも増えているようです。
kryoFlux
kryoFluxはイギリス発の「FDDを介さず、フロッピー内の生のデータを扱える」機械です。
外付けボード?のような外見で、FDDではコピーできないシステムフロッピーなどの複製も可能とか。
パソコン上級者向けといった感じで、価格は大体2万円前後ほど。私は正直、よくわかっていません。
OASYSでMS-DOS文書として書き出す手順
ここからは、ワープロOASYSで、文書を1つずつMS-DOS文書(パソコンで読めるファイル形式)に書き出す手順を見ていきます。
最初はフロッピー単位で読み込むつもりで3モード対応のFDDを買い直したのですが、ドライバーが対応しておらず、1文書単位での対応になりました。
私が使ったものはこちら。
・OASYS
・3モード対応 外付けFDD
・空フロッピー
私がやった手順はこちらです。
①パソコンにFDDを繋ぎます。
②FDDに未使用のフロッピー(私の場合は2HD 1.6MB/2.0MB・未フォーマット時)をセットして、パソコン用にフォーマット(初期化)します。
すでにデータの入ってるフロッピーを初期化すると、内容は全て消えてしまうので、間違わないように気をつけましょう!
③OASYSに文書フロッピーをセットして文書を読み出して、フロッピーを取り出します。
④OASYSにパソコン用にフォーマットしたフロッピーをセットして、文書を「MS-DOSファイル」として書き込みします。
⑤パソコンに繋いだFDDに「MS-DOSファイル」を書き込んだフロッピーをセットすると、パソコンから「.txtファイル」として開く事ができます。
図形、罫線、一部の記号などは再現されませんが、テキストは問題なく再現できました。
書き出したファイルをパソコンにコピーしておけば、FDDを出さなくとも、いつでも編集できます。
あとは、読みたい文書を全てパソコンフォーマットのフロッピーに書き出せば完了です。
余談
ワープロから文書を1つずつ手作業で書き出すのは、費用は安くすむものの、大量にあると大変な作業になります。
MS-DOS形式で新規保存する事になるので、OASYSで好きだった版数や更新日などの情報も切り捨てる事に。
できれば文書フロッピーごとパソコンで読み込みたかったのですが、知識不足もあり、今回は文書単位での移動になりました。
とはいえ正直未練があるので、いつでも試せるように情報だけはまとめておく事にしました。
「OASYS V10」は高価なソフトなので購入するには勇気がいりますが、開発終了製品なのでいつまで入手できるか分かりません。
「OASYS V10」や対応FDD、FDドライバー(修正モジュール)はWindows10でも動くようですが、無償ビューアの提供終了で、ぐっとハードルが上がったと言えそうです。